子どもの発達を的確に判定することによってより良い育児支援につなげるために
デンバーⅡ発達判定法
今後、詳細に学ぶための情報提供の一つであることを承知置き下さい。
発達スクリーニング
- スクリーニングは医療機関等の日常診療、乳児検診や保育所等における育児相談において、正常に発達しているか、問題があるかどうか、どの部分の遅れかの判断に用いられる。
- 国内においては、津守・稲毛式、遠城寺式、デンバーなどが使用されている。
デンバーの特徴
- デンバーは世界54カ国で採用され、15カ国で標準化されている。
- 直感的な疑い➠客観的な判断➠早期発見
- 潜在的発達障害を客観的に明らかにするための補助手段として用いる。
- 行動課題について同年齢の子どもと同様の発達段階にあるか否かの判定。
- デンバーでは、発達を「個人・社会」「微細運動・適応」「言語」「粗大運動」に大別する。
信頼関係の形成
- 保護者から正確な情報を得る。
- 子どもと保護者同席の下で、双方のくつろぎの中で実施する。
- 低年齢の子どもは、保護者のお膝も可。
- 大きい子どもは、いやがらなければ椅子に一人でお座りさせることも可。
- 子どもの肘は、デーブルの上面と同じ高さに。
- 乳児であれば、床の上でも観察ができる。
判定用具
デンバーⅡでは、次の用具が使用される
- 赤い毛糸の玉(ハマナカKK販売、旭化成のアクリル、色番429の毛糸で、CDケースの長い辺に30回巻き、中央を括り両端を切り落とす。50gの毛糸1個で6個作成できる。)
- テニスボール
- レーズン(丸いシリアル、ボーロなどでも良い)
- 鉛筆
- 細い柄のついたガラガラ
- 小さいプラスチック製の人形
- 2.5cm立法の色のついた積み木10個
- 持ち手のついたカップ
- 白い紙(A4版)
- 口径1.5cmの縁のある小さな透明なガラス瓶(香辛料の空き瓶が利用できる)
- 小さなベル
判定のための設備
- 机(座卓でも可)
- 椅子(保護者、子どもや判定者に十分な数)
- 粗大運動の項目を実施するための適当なスペース(畳2畳程度)
- 診察台(幼い乳児を寝かせて判定する。床に毛布でも可)
記録票
- 4つの項目 「個人・社会」「微細運動・適応」「言語」「粗大運動」
- 年月齢の1目盛りは 24ヶ月までは1ヶ月、24ヶ月以降は3ヶ月
- 判定項目 標準枠で125項目
標準的な子どもの25%、50%、75%、90%の達成が示される
子どもの暦年月齢の算出と年月齢
- 名前・出生年月日・判定日など記入
判定日から出生年月日を引き、暦年、月齢を算出(1ヶ月を30日、1年を12ヶ月として計算) - 早産時の修正月齢
2週間以上早く出産し2歳未満児の場合、修正が必要- 週数を月数と日数に分ける
- 計算された歴年月数からその月数と日数を引く
- 早産のために修正月齢を用いたことを記入
- 年齢月線を引く
- 年齢月線を正確に引くために、
- 年齢スケール目盛を利用する。
- 早産児は修正月齢で引く。
判定を始める前に
- 保護者に不安を与えないために、次のことをわかりやすく説明する。
- 子どもの現在の発達状況をみるために実施すること
- 知能検査ではないこと
- 観察項目のすべてを子どもができるわけでないこと
- 用具で子どもが遊んでいる間に、判定者は保護者に判定の「個人・社会領域」の「報告でも可」の項目について尋ねることができる
- その項目に関連する子どもの行動がよく観察されれば、判定の基準としてよい
子どもの受け入れ状況の判断
- 判定実施の受け入れはどうか
- 周囲への興味や関心の程度
- 恐怖感の有無
- 注意を向けている時間
- 白く殺風景なところは子どもは嫌い
- あまり面白いものがある所は、だめ。ほどほどに
実施の手順
- 子どもの協力のいらない項目から
「報告でも可」➠微細運動➠適応領域➠言語領域➠粗大運動領域(泣いてしまったなら絶対にやらないこと) - 子どもが楽にできる課題から
- 子どもの年齢線の完全に左側にある項目から
- 判定用具で、積み木のように同じものを使う項目は続けて実施し、時間を節約する
- 乳児の場合、寝かせて判定する項目はまとめて実施する
- 子どもの気を散らさないために、テーブルの上には、いま使う用具の置く方がよい
予備判定法(使用の目的)
- 90項目が選ばれて構成されている
- 保護者(主に母親)に判定票を手渡して記入してもらう
- 保護者が質問用紙に記入するのに約10分判定に約3分という短時間に判定が終了できる
予備判定方法
項目1~25:0~9ヶ月用
項目26~54:9~24ヶ月用
項目55~74:2~4歳用
項目75~89:4~6歳用
数字は質問項目の発達の達成率が90%と75%の年月齢
- 子どもの年齢に応じて4種類の判定票から適当なものを選ぶ
- 保護者に対して記入に関する説明をする
- 番号順に「いいえ」が3つ以上になるまで質問項目に答えるように指示する
予備判定
- ① 子どもの年月齢を計算する。
- ② 「いいえ」がついている項目に関して判定。
90%値で遅れがある
➡その年月齢を赤で囲み「遅れ」と朱書
75%値で遅れがある
➡その年月齢を赤で囲み「要注意」と朱書 - ③「遅れ」が1つ、あるいは「要注意」が2つの場合
➡保護者と話し合い、子どもの発達を促すような働きかけ、遊技などを指導し、1ヶ月後に呼び判定票を用いて再度判定する - ④「遅れ」が2つ以上、あるいは「要注意」が3つ以上の場合
➡できるだけ早期にデンバーⅡで判定を行って正式に判断する。
デンバーⅡの活用を
- 1.予備判定法の活用
- 10分程度でできる
- 疑わしいと判定された子どものみデンバーⅡを使うことも可能
- 2.子どもは常にベストコンディションというわけではないので、1~2週間おいて、子どもの機嫌のよいときにもう一度行う。
- 「報告でも可」であっても実際の観察が望ましい。
- 「疑い」となった場合
- 保護者に「疑い」の段階であることを伝え、不要な心配や不安を抱かないようよく説明する。
- 子どもは、だんだん発達して、追いついていきますよ!というフォローと併せ、保育園嘱託医を紹介する。
- 月齢にこだわらず、発達のだいたいの順番を目安として活用することも可であり、八街かいたく保育園の運営課題としての全体的な真摯な取り組みとして位置づけたい。




